Kamecloyococho

Year: 2022

サンストリート亀戸の跡地に出来た商業施設「カメイドクロック」の1Fに位置する、横町型フードホール。長年、地元の人々に愛された施設の後任ということで、”地元愛の継承”と”再出発としての”目新しさ”が求められた。また、すぐ隣には934戸を有する住宅棟が建設されるため、より生活に密着した空間づくりが課題となった。
区画は全体的に細長く、メインエントランスは大きく開けているが、奥に進むにつれて幅員が狭まる。その特徴を活かし、手前と奥で空間のボリュームや店舗の間隔に変化をつけることで、居心地の変化をつくり出した。
メインエントランスを入ると、大きく開けた食空間が広がり、象徴的な六角形の照明が全体を照らし、昼夜問わず賑わうダイニングのような印象を与える。狭い路地に店や席が密集しているという横丁の概念を取り払い、子連れのファミリー層やお年寄りも、気楽に立ち寄ることができる大らかな空間となるよう意図した。
奥に進めば「路地」ゾーンへ突入する。細長い空間の中に、あえて店舗をランダムに配置することで、賑やかさや奥行き感を演出している。必然的に直線的な通路はなくなり、くねくねとした通路を奥に進むと、新たなお店との出会いがあり、新しい亀戸の魅力を発見できる。店舗や席の間隔も近いので、店舗間の垣根を超えてお客さま同士にコミュニケーションが生まれ、活気が増していく。食としてのコンテンツというだけでなく、新たな出会いを生むような横丁を目指した。
幅広いエンドユーザーのニーズに応えるため、亀戸らしい多面性のある横丁空間となった。住まう人、訪れる人、若者からシニアまで、多くの人々に長く愛される横丁になることを願いたい。

Program
商業施設 環境デザイン
Structure
664.63㎡
Contents
基本計画、デザイン監修
Location
東京都江東区
Project Team
施工:
株式会社ベネフィットライン
撮影:
ナカサアンドパートナーズ